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2019/08/28 15:41

New! 『おばあちゃん、ぼくにできることある?』見本と訳者のことば👵🏻👦🏻

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8月23日

『おばあちゃん、ぼくにできることある?』の見本を

編集のKさんが届けてくれました!

あとは9月4日の発売を待つばかり。

関係各所への献本用に「訳者のことば」を書きました。

こんな感じです------

 

<訳者のことば>

 

この絵本の主人公、オスカーには、毎日いっしょに遊んでくれる、大好きなおばあちゃんがいます。ところが最近、おばあちゃんの様子に「おかしいなあ」と感じることが多くなってきました。忘れっぽくなったり、今までできていたことができなくなったり。そんなおばあちゃんを、オスカーは一所懸命手伝おうとします。でも、おばあちゃんは、とうとう専門の施設へ引っ越すことに……。お父さんに連れられ、おばあちゃんの「あたらしいおうち」を訪ねるオスカー。以前との違いにとまどいながらも、新しい環境を受け入れ、再びおばあちゃんとの楽しい時間を見つけていきます。

最初と最後のページには、それぞれ、オスカーとおばあちゃんが、ぎゅっと抱き合っている絵があります。なにがあっても、いちばん大切な思いは変わらないということが、二人の姿からしみじみと伝わってきます。

この本は、”Grandma”というタイトルで、2014年にイギリスで出版されました。絵日記のようにオスカーが語る本文には、認知症という言葉は出てきません。少しずつ変わっていくおばあちゃんの様子や、オスカーの心の揺れが、ほのぼのとした明るい絵と、素直な、やさしい言葉で表現されています。

認知症かどうかではなく、目の前にいるおばあちゃん自身をしっかり見つめて、つねに小さな手を差しのべようとするオスカー。日本語版では、そんなオスカーの気持ちをよく表している、『おばあちゃん、ぼくにできることある?』という言葉をタイトルにしました。

感傷的になるより、実際にできることから始めようという、前向きで、実践的なところも、この本の大きな魅力だと思います。巻末の解説もふくめて、子どもたちといっしょに読んでいただければ幸いです。

認知症を子どもにとって身近なものにしたい、という思いからこの本は生まれました。その思いが、ここ日本でもきっと叶うことを心から願っています。

 

2019825

おびかゆうこ