"I Believe In Unicorn"
マイケル・モーパーゴ 作
Written by Michael Morpurgo
ゲイリー・ブライス 挿絵
Illustrated by Gary Blythe
主人公のトマスは、
野山をかけまわることが大好きな8歳の少年。
でも、学校の勉強も本を読むことも苦手です。
ある雨の日、
トマスはお母さんに連れられ
図書館へ行きます。
そして、
しぶしぶ中へ足をふみ入れ目にしたのは、
なんとユニコーン!
まるで生きているかのように見える
木彫りの立派なユニコーンでした。
しかも、
美しい女の人がその背に腰掛け、
お話をかたり始めたではありませんか。
トマスは、ほかの子どもたちと一緒に
夢中で女の人の話に耳をかたむけます。
このあと、
ユニコーンの不思議な力にみちびかれ、
トマスは、本を読むこと、お話をかたることに
心を開いていくのです。
ところが……
ある日、おだやかな生活を一変させる
大事件がおこりました。
トマスが暮らす山間の村に
とつぜん「戦争」がやってきたのです。
爆撃で村の中心は破壊され、
あちこちで火の手があがります。
トマスや家族はどうなるのでしょう。
図書館の本やユニコーンは、燃えてしまうのでしょうか。
*
この本に出てくるユニコーンは、
物語の力、本の力を象徴しているように
思えます。
その力をあきらめないこと、
心から信じることの大切さを
著者モーパーゴは伝えたいのでしょう。
モーパーゴは、
イギリスを代表する児童文学作家で、
物語の名手といわれています。
本の中で語られる
ノアの方舟とユニコーンのお話など、
読むうちに思わず引き込まれてしまいます。
100ページほどの短い作品ですが、
モーパーゴの物語世界を
きっと楽しんでいただけると思います!
*
この本の書評↓
(2017年 徳間書店)